当社は、大企業の開放特許*(知的財産<知財>)を中小企業の技術と結びつけた新製品やサービスなど事業創生に、当社のクリエイターなどプロフェッショナルのアイデアを掛け合わせ、マッチング精度を高めた知的財産活用の新しい事業を、川崎市と連携して開始いたしました。
「自治体×中小企業×プロフェッショナル」の知的財産活用
【役 割】
■クリーク・アンド・リバー社
クリエイターなどプロフェッショナル人材の選定、知財財産交流イベントの企画・プロデュース、知的財産活用アイデアの創出・プレゼンテーション、マッチングフォロー
■川崎市
広域連携自治体へのノウハウ提供、知的財産交流会の共催・広報、ライセンサー(大企業)の新規開拓、コーディネータによる個別マッチング支援 など
■各自治体
知的財産交流会の共催・広報、ライセンサー(大企業)の新規開拓、コーディネータによる個別マッチング支援など
本事業は、大企業の知財を中小企業の技術と結び付ける「川崎モデル」で、30件という全国有数の成約実績を誇る川崎市の強みと、Web・映像・ゲームなどのクリエイターや、医師・弁護士・建築士・ファッションデザイナー・シェフ・研究者など、当社の23万人のプロフェッショナルのアイデアとプロデュース力という強みを活かした、先進的な知的財産活用の取り組みです。
大企業と中小企業との間で知財を活用する場合、大企業には「開放できる特許を使ってどのようなことができるのかイメージが湧かない」という課題と、一方で中小企業には「技術はあるが、商品化に結び付けるアイデアが無い」という課題などが存在しております。当社では、このような課題解決に対し、最適なプロフェッショナルを選抜してチームを組成。自由な発想やアイデアで大企業の知財活用法を提案するコンテンツ制作などでマッチング精度を高め、川崎市と連携しながら知財交流イベント開催や支援をしてまいります。
本年の本事業に参加する自治体は、川崎市を始め、静岡県富士宮市、山形県米沢市及び高畠町、福島県の4都市。中小の下請け製造企業などが集積し、自社製品やサービスの開発で自立を積極的に考えている地域となります。
本事業は、特許庁および経済産業省関東経済産業局の「平成30年度中小企業知的財産活動支援事業費補助金(地域中小企業知的財産支援力強化事業)」において「クリエイターを活用した大企業開放特許の事業化推進事業」として採択されております。当社は、プロフェッショナル・エージェンシーとして、ライツマネジメントを事業の柱の一つとしており、来年以降もこの取り組みを事業化し、全国で展開していく計画です。
当社は本施策のような新しい活躍の場をプロフェッショナルに提供することで、当社の理念である「プロフェッショナルの生涯価値の向上」と、「クライアントの価値創造への貢献」の実現に向けて邁進してまいります。
*開放特許(かいほうとっきょ):企業や研究機関など特許権利者が、一般に開放している特許のこと。開放特許を利用する場合、特許権利者とのライセンス料金などについての契約が必要となり、権利者は収益化を見込むことが可能となる。
●「川崎モデル」川崎市の知的財産交流活動の特徴
川崎市では、大企業の開放特許を市内の中小企業へ移転し、中小企業の新製品開発をサポートする取り組みを2007年から全国に先駆けてモデル事業としてスタート。2008年から重点事業として実施している。「川崎モデル」と呼ばれるこの知的財産交流活動の特徴は、川崎市と川崎市産業振興財団が一体となって、マッチングから製品化、販路開拓までを一貫して支援していることであり、これまでの実績は30件のマッチングが成立、うち20件が製品化されている。2015年には、政府の「知的財産推進計画」の重点3本柱の一つに位置づけられ、全国展開を開始した。これまでの同市の知的財産交流会の開催実績は累計72回、延べ2,044社が参加している。この取組は全国の自治体が注目し川崎市も広域展開を積極的に行っており、現在約20自治体との連携した実績がある。