5Gを活用した低遅延VR配信システムの開発、実証実験に成功
360°映像データの1秒以下の低遅延配信に成功、社会課題解決の活用に取り組む
2019年12月に行われた「ドコモ5Gオープンラボ®Yotsuya」で行われた5G*を活用した共同実証実験において、株式会社VR Japan、コニカミノルタジャパン株式会社、および株式会社NTTドコモと共同で、360°映像という大容量データを1秒以下の低遅延で配信することに成功しました。
実験では、コニカミノルタジャパンが提供する高機能ネットワークカメラ(以下MOBOTIX)の360°撮影映像を、VRJが所有する低遅延VRリアルタイム配信システムを用いてほぼ同時にVRゴーグルに配信。360°映像のリアルタイム配信による双方向コミュニケーションが実現したことで、医療教育分野の遠隔教育ソリューションや、建設現場の安全管理における遠隔監視ソリューションなど、様々な社会課題解決への活用が期待されています。
1.実証実験の概要
2019年12月に実施された実証実験では、オープンラボの5G環境下でVR Japanが所有する低遅延VRリアルタイム配信システム(以下VRJ配信システム)を用いて、コニカミノルタジャパンが提供するMOBOTIXで撮影したVR映像をVRゴーグルに何秒で配信できるかを検証し、配信時間1秒以下で実現できることを確認。
2.共同実証実験における各社の役割
VR Japan
・VRJ配信システムの提供
・VRゴーグルの提供
・実証実験による実用性確認
コニカミノルタジャパン
・MOBOTIXの提供
・実証実験用超音波診断装置の提供
NTTドコモ
・実証実験検証環境(オープンラボ)
・ドコモオープンイノベーションクラウド™の利用環境
3.社会課題解決への活用イメージ
<医療業界向けの遠隔教育ソリューション>
遠隔教育ソリューションでは、360°VR映像で視聴する側が自由な視点で見たい場所を見られるほか、ピクチャインピクチャの技術を利用して、手元をクローズアップした映像や超音波診断装置、画像診断ワークステーションなどの映像を画面上に映し出し、視聴者が視点を大きくずらすことなく見ることができます。また、双方向での会話も可能となっております。これにより遠隔地の医師は、画像確認や診断行為などの複数で複雑な医療技術を1つの映像で直感的に見ながら、経験値のある医師が目の前にいるかのような感覚で技術指導を受けることが期待できます。
<建設現場の遠隔監視ソリューション>
遠隔監視ソリューションは、堅牢(けんろう)、防水、防じん性能を備える高機能ネットワークカメラ(映像解析~検知機能)の360°の撮影映像をほぼ同時にVRヘッドマウントディスプレイに配信できるため、遠隔にある監視センターが現場の状況をリアルタイムで確認することや、現場とコミュニケーションをはかることが可能となります。これまで、人が巡回して監視、もしくは一方向のカメラによって監視していた現場を、この遠隔監視ソリューションとMOBOTIXの機能(解析、検知、通報)によって頻度を高く、より詳細に、より広範囲に監視することが可能となり、安全管理に寄与することが期待できます。
▼医療業界、建築業界での利用イメージ図